カンボジア通信 12月19日版

12月19日

パキスタンの「世界一孤独なゾウ」
 

 

カンボジアで順調な新生活
 

 

 パキスタンの首都イスラマバードの動物園で「世界一孤独なゾウ」として知られていた
アジアゾウの「カーバン」が11月30日、カンボジア・シェムリアップに移送された。クメ
ールタイムズ紙によると、カーバンは新天地となったカンボジアで健康に暮らし、まもな
く自然保護区内に返されるという。
 

 

 報道によると、カーバンは現在35歳ぐらい。1985年、1歳のときにスリランカからパキ
スタン・イスラマバードの動物園に移されたが、閉じ込められたり、鎖につながれたりし
ていたため、動物愛護家たちが飼育環境を改善するように署名活動を実施した。
 

 

動物園側は、「暴れる傾向がみられたために、一時的に鎖でつないだことがあるだけ」
と主張したが、「カーバンを自由にする運動」は米歌手のシェールさんら著名人も加わり
、署名は40万人以上となった。今年5月、イスラマバードの高等裁判所はカーバンに自由
を与えることを命じ、自然保護当局に適切な移住先を見つけるように指示した。その結果
、カンボジアの自然保護区へ移送されることになった。
 

 

 特別機でパキスタンからカンボジアへ輸送され、現在、オドーミエンチェイ州の施設で
暮らすカーバンについてクメールタイムズ紙は、「ほかのゾウたちと一緒に健康に、楽し
く暮らしている。仲間もできたようだ。カーバンはもう、世界一孤独なゾウではない。あ
と数か月したら、自然保護区に放たれるだろう」と、している。


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