カンボジア通信
2022年3月21日
岸田首相とフン・セン首相
ウクライナ侵略でロシアを非難
カンボジアを訪れた岸田首相は3月20日、フン・セン首相と会談し、両国の関係強化や国際情勢について意見を交わした。クメールタイムズ紙が報じたカンボジア外務省の説明によると、両国はロシアによるウクライナ侵略について「ウクライナの主権と領土を深刻に侵害するものであり、武力による一方的な現状変更は国際法や国連憲章に反するものだ」と、強く非難する考えで一致した。
同紙によると、岸田首相は、「日本は常にカンボジアと共に和平から復興、経済発展の道のりを歩んできた」として、地雷除去や上水道分野での支援やシハヌークビル港の整備などが長く続いていることを挙げた。また、新型コロナ対策については、カンボジア政府による対策の強化を支援するため、450億円の財政支援借款を供与した、と述べた。
これに対しフン・セン首相は、日本による幅広い支援に感謝の意を示した。また、今後、さらに日本とカンボジアの投資関係が深まるよう、投資環境の整備や貿易など経済関係の強化にも取り組むことで合意したという。
両国首脳はロシアによるウクライナ侵略についても意見を交わした。日本とカンボジアは、3月2日の国連総会の緊急特別会合で採択された「ウクライナに対する侵略決議」の共同提案国であることから、ロシアの行為は国際秩序を乱す行為であると強く非難した。さらに昨年2月に国軍がクーデターで実権を握ったミャンマーについて、「暴力の即時停止、武器の流入の阻止、さらにすべての関係者が自制し、対話を開始すること」などを求める姿勢で一致したという。