カンボジア通信
7月25日
違法薬物の摘発が急増
クメールタイムズ紙によると、カンボジア国家薬物対策局は、今年上半期で国内で麻薬関連の犯罪が急増したことを報告した。
同局の報告書によると、国家薬物対策局や関連部局が摘発した違法薬物に関する犯罪は、2020年1月から6月で5463件にのぼった。これは2019年の4175件を大きく上回る。一方で、麻薬の摘発量は2019年上半期の341キロから2020年の上半期は261キロと減少しているという。
ケ・キム・ヤン局長は「違法薬物の取引はカンボジア社会にとって脅威である。違法薬物の運搬は、空、海、陸のいずれからも行われており、郵便物でも運搬されている」と、述べた。局長によると、違法薬物の使用は、都市部から農村部へと広がっており、カンボジア国内で薬物を製造しようとする犯罪者集団もいるという。
また、局長は、新型コロナウイルスで失業した人たちや、学校が休校になっている若者たちが、こうした違法薬物に手を染めないように啓発活動をする必要がある、としている。
新型コロナウイルスの感染拡大は、カンボジアの経済、社会に甚大な影響を与えるとみられている。すでにタイなどの海外就労者たちは職を失って帰国しており、縫製業などを中心に失業者も増えている。アジア開発銀行は先週、カンボジアで2020年内に39万人が失業するおそれがある、との見方を示している。