カンボジア通信
10月21日
カンボジア国内、メコン川の水位が急上昇
洪水に警戒を
メコン川委員会(Mekong River Commission)は10月20日、コンポンチャム州とクラチェ州で今後5日間に
メコン川の水位が急上昇する、と警告。現在発生している洪水がさらに悪化する恐れもあるとしている。
クメールタイムズ紙などによると、国内の洪水による死者は25人にのぼり、被災した人は30万人に達しているという。
プノンペンにあるメコン川委員会の洪水・干ばつ対策センターによると、コンポンチャム州内のメコン川は、
25日までに水位が2メートル上昇すると予測している。これは平年の水位よりも4メートル高い状態だという。
クラチェ州内でも水位が2メートル上昇すると予測され、これは平年より6メートルも高いという。
水資源気象省によると、今月27日ごろまでは雨が続く見込み。また、24日から28日の間は落雷や突風、
沿岸部では高波にも十分警戒するよう呼びかけた。
一方、フン・セン首相は20日、洪水被害が深刻なバンテアイミエンチェイ州を視察した。
クメールタイムズ紙の報道によれば、洪水の状況は降雨の影響もあり悪化している。
同州では、ダムが決壊し国道5号線が500メートル以上にわたり冠水した。州知事によれば、
州内で3人の子供を含む16人が死亡。10万人以上が被災したという。
また、前野党指導者のケム・ソカー氏もバンテアイミエンチェイ州で被災した村を視察、食糧など援助物資を届けた。
クメールタイムズ紙によると、ソカー氏は先週、同州で援助物資を配布しようとしたところ行政側に妨げられたが、
フン・セン首相がソカー氏の配布を続行させるように指示した、という。
国家災害対策委員会によると、10月20日現在、洪水被害は国内25州のうち18州におよんでいるという。