モニボン通り「ゴールドタワー42」からまた落下物
工事現場の安全対策に課題
11月21日午後、プノンペンの目抜き通りであるモニボン通りと、シアヌーク通りの角で建設中の「ゴールドタワー42」の42階部分から、工事用エレベーターの一部とみられる鉄の物体が落下。モニボン通りに駐車していた車両の後部座席部分に突き刺さった。幸い、けが人はいなかったが、車は後部ガラスが割れて半壊した。
クメールタイムズ紙のよると、この事故後、プノンペン都当局はゴールドタワー42の建築を一時禁止し、現場での調査を開始した。同じ工事現場で数か月前にも鉄の棒が落下して車のボンネットに突き刺さる事故が発生しており、当局は「工事再開を許可するかどうか慎重に検討する」としている。
ゴールドタワーは、完成すれば高さ200メートル。交通量の多いモニボン通りとシアヌーク通りの交差点に建設され、プノンペンのランドマークともなる建物だ。商業ビルとして、ショッピングモールやオフィス、住居などになる予定だった。
ところがこのビルは、建築が始まってすでに10年以上が経過している。事業開始は2008年、その後2009年に施工主の経済的事情などで工事が止まり、2012年にも再度ストップした。2013年に工事が再開されたが、2017年にはまた中断。その後工事が再開し、2020年初頭にはついに完成する見込みだった。
建築ブームのプノンペンでは、あらゆる場所に工事現場がある。巨大な商業施設やニュータウン開発から、住宅地でのコンドミニアム建設まで規模はさまざまだ。建築現場の安全対策もまちまちで、今年開業したショッピングモールでも、建築中の5年前、鉄骨がバイクで通過していた女性を直撃し、死亡している。また、今年6月にはシアヌークビルで建築許可を受けていなかったビルが建設中に倒壊し、作業員ら28人が死亡する惨事が起きた。
建設セクターはカンボジアの経済成長を支える産業の一つになっているが、建築許可などの法制度や、工事現場の安全対策、建築人材の育成など未整備な部分も多く、課題が多い。
(参考原文:https://www.khmertimeskh.com/50662317/construction-halted-at-gold-tower-42/)
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