カンボジア 環境問題への意識変化 11月14日版

水祭り会場、2000人以上がごみ拾い

高まる環境への関心

 

11月10日から12日まで、カンボジア各地で雨季明けを祝う水祭りが行われた。首都プノンペンでは、王宮前広場を中心に恒例のボートレースや花火大会が開かれ、全国から多くの人たちが訪れた。

 

祭りの後、会場となった川沿いはいつもごみの山になっていたが、今年は様子が違ったという。多くのボランティアが、祭りの後のごみ拾いを買って出ていたのだ。クメールタイムズ紙によると、セイ・サマル環境相は「ごみ収集のワーカーに加え、1130人ものボランティアが、毎日深夜から朝の7時まで働いて、川沿いや広場などのごみを集めてくれた。彼らに大変感謝している」と、述べた。

 

ボランティアたちのごみ拾いだけでなく、今年はプノンペン都当局が、2000以上のごみ箱やかごを会場に配置。訪れた人たちも以前に比べて、ごみのポイ捨てが減り、マナーがよくなったという。ごみ集積所の担当者によると、今年水祭り期間中に6500トンのごみが運び込まれ、そのうち約3割が水祭りの会場からのごみだったという。

 

プノンペンポスト紙によると、ごみの量そのものが昨年の約8000トンより少なかったとしており、ごみ集積所の担当者は「環境問題への関心が高まり、一人ひとりの意識が変わったことも背景にあるのではないか」と、指摘している。

 

カンボジアでは、都市部を中心に、大気汚染やごみ問題への関心が高まっている。急激な都市化で、プノンペンを中心に環境問題は「他人ごと」ではなくなっている。そこへ、プラスチックごみ減量が世界的な潮流として盛り上がり、カンボジアの人たちも共感を示した。

日系のスーパーマーケット「イオン」を始め、スーパーやコンビニではすでにプラスチック袋が有料化され、プラスチックのストローを紙製などに替えるカフェやレストランも増えてきた。

 

日本の国際協力機構(JICA)もプノンペンの下水道整備の事業とともに、環境問題の啓発イベントを開いた。11月24日には、カンボジア日本人会、日本人商工会、大使館、JICAなど日系7団体とプノンペン都が協力して、川沿いや王宮広場を清掃する「クリーンシティチャレンジ2019」が開かれる。昨年のイベントには予想を上回る830人もの参加者があり、都民の関心の高さを伺わせた。

 

(参考原文:クメールタイムズ: https://www.khmertimeskh.com/50659151/water-festival-rubbish-collectors-thanked-for-work/

プノンペンポスト:https://www.phnompenhpost.com/national/authorities-water-festival-success?fbclid=IwAR0TIEWj1g1xuTr1yuL5P6PtoWAW4wAf9OfF3nK-uPTyIhZNUsUYuo-nPFg)


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